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黒ゆきこ先生のセーター塾のお題は確か「陶器」でした。
乳白色の柔らかな陶器のお皿をモチーフにして、透かし模様の編地に、はめ込むように編み込んで、
最後に刺繡をさりげなく、ほどこしました。
春先になると、大切な保管箱から取り出して、眺めては又しまい込んでいるお気に入りの作品です。
今風のワイドなパンツにも合いそうですね、不思議、ニットには時間も価値も飛び越える楽しさがなんだか、ある。
一番花の薔薇仕事もひと段落、
大雨でその日に限っていらして頂けなかった生徒さんたち、来春こそはVIPです。
ココア色のチュニックドレスを創りました。
新緑の5月のあとりえの為にニッターさんが
丹精込めて仕上げて下さいました。
毎段の模様編みと経糸渡しの処置のなんと美しい事。暫し、感動。そしてご苦労への感謝。
ひとつのことをやり遂げるのは、どんなことも大変なこと。じっと向き合い続ける姿勢は忍耐そのものだ。
5月の庭は、薔薇たちが風に揺れ競い合うように咲いている。
真冬の寒さの中の、剪定、寒肥、誘引、中耕、芽出し肥、消毒、、この花たちの為のささやかな努力が、今、かたちになっている。
ご自宅から抱えていらした幾つもの毛糸の玉を並べて、
こんなセーターにしたい、丈はこの位、柄はシンプルで、袖は7分位、襟ぐりはこんな形、、、
生徒さんの新しい作品ミーティングはワクワク感がとまらない。
黒ゆきこ先生のセーター塾で培ったエスプリグッズの引き出しを全開にして、ああ、こうしたらもっと素敵といつのまにか、私がのめり込んでいる。創ることは夢のように楽しい。
こんなご時世、一玉に満たない糸も、できる限り大切に生かしてあげたい。そして何よりそのセーターは世界にたった一つの宝物になるのだから。
剪定を終えた薔薇の新芽が紅色に膨らんでいる。
サンシュユも梅も今か今かと開花を待っている。
早春の庭には、神様がそっと仕掛けて下さった、生きるというちからがある。
ほら、そこにも。ここにも。
新春を迎え、今年はかならず平穏な日々が戻ることを願っています。
幸多き一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
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先日、懐かしいお客様からお電話を頂戴しました。
もう、20年にもなりますでしょうか、わたしの作品をご評価いただき、展示会初日に必ず、お越し下さいます。
京都での展示会には遠方にもかかわらず、ご主人様とご一緒に作品を選んで頂きました。
コロナ禍で今年も展示会を断念せざるを得なかったことを申し上げ、お会いできず残念がっている私に、
お求め頂いたあの作品、この作品、楽しんで着て下さっている事、お話頂きました。
不思議なものですね、着て下さる方が、楽しく元気になるような、そんな作品を創りたいと願い続けてきた私が
こんなに元気を頂くなんて。感謝という言葉しか今見つからない。
秋薔薇が満開になりました。
朝、夕の気温が下がったせいでしょう、病害虫との戦いも一息ついて、ゆっくり鑑賞できるようになりました。
それにしても、花びらに一点の染みもなく、360度どこから見ても完璧な花を作り上げることの、何という難しさ。
労力、根気、めげないこころ。何でも一筋縄にはいかない。
台風が去って、折れた枝を手にしたときは、お百姓さんのご苦労のほんのほんの僅かに、触れたような気がした。
コロナ禍で、それぞれの痛みを、やるせなさを、過ごし、やっと少し新しい季節がやって来たと思いたい。
暖かなウールが恋しくなっている。
誕生日の祝いを兼ねて、奥湯河原の行きなれた温泉旅館に泊まり、何やら只ぼんやり過ごしてきました。
夏の疲れが出ていたのでしょうか、苦しんでいた腰痛もすっかり良くなり、おっかなびっくり日々を送らなくてよさそう。
露天の湯を囲むように金木犀が香り、川の水音に癒され、幸せな時間を頂きました。
いつもなら、編み物したり、雑誌を眺めたり、何かしら前向きなことに費やす旅館時間も、今回ばかりは欠伸ばかりしていた感じ。
さあ、チャージ完了。ひとつずつ、しっかり、心を込めた仕事をしよう。
10数年前、思いもよらない大病を患う前まで、母は私の仕事を随分助けてくれていた。
編むということが、生きがいのように何十年も過ごしてきたのでしょう、その仕事は本当に美しかった。
母の鍵針編み、特にレースは、私には足元にも及ばない。何十枚のモチーフも寸分の違いない仕立てで送り届けてくれた。
父が、話し相手にならないから、母に仕事を頼まないでくれと私に言ってきたほど、集中を切らさず編んでくれたのだろう。
どんな仕事も、一つの事を、ずっと同じ気持ちを持って続けていくことは、そう優しい事ではないと思う。
根気と根性はどこかに接点がきっとある。諦めかけると後ろからそっと支えてくれるような。頑張れ、頑張れと。
新しいこのレースモチーフの作品を見せたら、母は、私も編みたいと言ってくれるかもしれない。
そのときは、お母さんなら今もきっとできるよと、にこにこして言ってあげたい。
アシンメトリーのチェック柄でコットンプルを創りました。
色々コーディネートしてみたらやっぱり同色ワイドパンツで颯爽の雰囲気かしら。
この夏は、人生一の猛暑かもしれない。ぎらぎらのお日様を冷房の利いた部屋から眺めている。
ご近所の倫ちゃんは甲子園予選決勝で、惜しくも敗退。朝練あんなに頑張っていたのに。
いってらっしゃーい、頑張ってね、そう言うとさわやかな笑顔を返してくれた。
これからも近所のおばさんはそっと応援しているよ、コロナ禍で少し疲弊していたこころ、助けてもらったもの。
さわやかに生きる事ってホント素敵って、教わったもの。