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幾つ年を重ねても、夏の終わりを感じるときは、こころが少しmelancholyになる。
他のどの季節にもない、ちくちくと切ない風がこころに吹くのだ。
バカンスを楽しんで、心が揺れる思い出作りをしたわけでもない。むしろ猛暑に疲弊し、中々吹かない秋風を
今か今かと待ち焦がれていたはずなのに。
Melancholyからの脱却には、この新しい秋をおしゃれして、うんとうんと楽しんで過ごすこと。
そして冬を越し春を待ち、今と同じ幸せのままの夏がきっと来ることを祈り、
新しい夏のセーターを載せよう。
うさぎ模様のジレが完成しました。
ずっと前から、創りたかった作品です。
もしゃもしゃの極細ラメが利いたキラキラの草原を切り絵のうさぎが躍っている。あっちにも、こっちにも。
いつまでも残暑厳しく、へたばり気味の心身に、スパッとビタミン剤が投与された感じです。
そうだ、秋のコーデを整えよう。一足先にこちらから秋を迎えに行こう。
ある朝、突然、思いもよらない寒風が吹いて、秋支度が間に合わなくなったり、置いてけぼりになったりする昨今のわたし。
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暑中お見舞い申し上げます。
連日の猛暑、じりじりと焼けるような日差しが否応なく降り注ぎ、気の利いたご挨拶の言葉すら、浮かんできません。
一昔前の夏は、まだまだ夏を楽しむ余裕があって、お日様と対峙するそんなおしゃれを見つけたり、夕暮れの涼やかな風を纏ったり
心にも体力にも余力があったのかしら、
まあ、思考力持続し得るうちに、どうしてもお届けしたい 私からの心ばかりの涼。
水面を渡る風のギャザースカートにあさがを鉢の金魚のプル。どうぞ。
夏の藍色が好きです。
「藍」を用いた藍染の青の濃淡は、どこまでも繊細で美しく、なんとかそれを糸と編地で表現したいと
長いこと考えていました。綿糸、麻糸、絹糸、それぞれの青の染料が競い合って、いい感じのジャケットが
仕上がりました。
梅雨明けの夏の日差しにきっぱりと潔く着たい。
黒ゆきこ先生のセーター塾のお題は確か「陶器」でした。
乳白色の柔らかな陶器のお皿をモチーフにして、透かし模様の編地に、はめ込むように編み込んで、
最後に刺繡をさりげなく、ほどこしました。
春先になると、大切な保管箱から取り出して、眺めては又しまい込んでいるお気に入りの作品です。
今風のワイドなパンツにも合いそうですね、不思議、ニットには時間も価値も飛び越える楽しさがなんだか、ある。

一番花の薔薇仕事もひと段落、
大雨でその日に限っていらして頂けなかった生徒さんたち、来春こそはVIPです。
ココア色のチュニックドレスを創りました。
新緑の5月のあとりえの為にニッターさんが
丹精込めて仕上げて下さいました。
毎段の模様編みと経糸渡しの処置のなんと美しい事。暫し、感動。そしてご苦労への感謝。
ひとつのことをやり遂げるのは、どんなことも大変なこと。じっと向き合い続ける姿勢は忍耐そのものだ。
5月の庭は、薔薇たちが風に揺れ競い合うように咲いている。
真冬の寒さの中の、剪定、寒肥、誘引、中耕、芽出し肥、消毒、、この花たちの為のささやかな努力が、今、かたちになっている。


ご自宅から抱えていらした幾つもの毛糸の玉を並べて、
こんなセーターにしたい、丈はこの位、柄はシンプルで、袖は7分位、襟ぐりはこんな形、、、
生徒さんの新しい作品ミーティングはワクワク感がとまらない。
黒ゆきこ先生のセーター塾で培ったエスプリグッズの引き出しを全開にして、ああ、こうしたらもっと素敵といつのまにか、私がのめり込んでいる。創ることは夢のように楽しい。
こんなご時世、一玉に満たない糸も、できる限り大切に生かしてあげたい。そして何よりそのセーターは世界にたった一つの宝物になるのだから。
剪定を終えた薔薇の新芽が紅色に膨らんでいる。
サンシュユも梅も今か今かと開花を待っている。
早春の庭には、神様がそっと仕掛けて下さった、生きるというちからがある。
ほら、そこにも。ここにも。
新春を迎え、今年はかならず平穏な日々が戻ることを願っています。
幸多き一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
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先日、懐かしいお客様からお電話を頂戴しました。
もう、20年にもなりますでしょうか、わたしの作品をご評価いただき、展示会初日に必ず、お越し下さいます。
京都での展示会には遠方にもかかわらず、ご主人様とご一緒に作品を選んで頂きました。
コロナ禍で今年も展示会を断念せざるを得なかったことを申し上げ、お会いできず残念がっている私に、
お求め頂いたあの作品、この作品、楽しんで着て下さっている事、お話頂きました。
不思議なものですね、着て下さる方が、楽しく元気になるような、そんな作品を創りたいと願い続けてきた私が
こんなに元気を頂くなんて。感謝という言葉しか今見つからない。