SUZUKI KASUMI

すずきかすみ 〈 ニット工房ハイジ 〉
うさぎ

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11月のあとりえ


秋薔薇が満開になりました。

朝、夕の気温が下がったせいでしょう、病害虫との戦いも一息ついて、ゆっくり鑑賞できるようになりました。

それにしても、花びらに一点の染みもなく、360度どこから見ても完璧な花を作り上げることの、何という難しさ。

労力、根気、めげないこころ。何でも一筋縄にはいかない。

台風が去って、折れた枝を手にしたときは、お百姓さんのご苦労のほんのほんの僅かに、触れたような気がした。

 

コロナ禍で、それぞれの痛みを、やるせなさを、過ごし、やっと少し新しい季節がやって来たと思いたい。

暖かなウールが恋しくなっている。

 

 

 

 

Posted 10月 30th, 2022.

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10月のあとりえ

誕生日の祝いを兼ねて、奥湯河原の行きなれた温泉旅館に泊まり、何やら只ぼんやり過ごしてきました。

夏の疲れが出ていたのでしょうか、苦しんでいた腰痛もすっかり良くなり、おっかなびっくり日々を送らなくてよさそう。

露天の湯を囲むように金木犀が香り、川の水音に癒され、幸せな時間を頂きました。

いつもなら、編み物したり、雑誌を眺めたり、何かしら前向きなことに費やす旅館時間も、今回ばかりは欠伸ばかりしていた感じ。

 

さあ、チャージ完了。ひとつずつ、しっかり、心を込めた仕事をしよう。

 

Posted 10月 2nd, 2022.

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9月のあとりえ

 

10数年前、思いもよらない大病を患う前まで、母は私の仕事を随分助けてくれていた。

編むということが、生きがいのように何十年も過ごしてきたのでしょう、その仕事は本当に美しかった。

母の鍵針編み、特にレースは、私には足元にも及ばない。何十枚のモチーフも寸分の違いない仕立てで送り届けてくれた。

父が、話し相手にならないから、母に仕事を頼まないでくれと私に言ってきたほど、集中を切らさず編んでくれたのだろう。

どんな仕事も、一つの事を、ずっと同じ気持ちを持って続けていくことは、そう優しい事ではないと思う。

根気と根性はどこかに接点がきっとある。諦めかけると後ろからそっと支えてくれるような。頑張れ、頑張れと。

 

新しいこのレースモチーフの作品を見せたら、母は、私も編みたいと言ってくれるかもしれない。

そのときは、お母さんなら今もきっとできるよと、にこにこして言ってあげたい。

 

 

Posted 8月 31st, 2022.

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8月のあとりえ

アシンメトリーのチェック柄でコットンプルを創りました。

色々コーディネートしてみたらやっぱり同色ワイドパンツで颯爽の雰囲気かしら。

 

この夏は、人生一の猛暑かもしれない。ぎらぎらのお日様を冷房の利いた部屋から眺めている。

ご近所の倫ちゃんは甲子園予選決勝で、惜しくも敗退。朝練あんなに頑張っていたのに。

いってらっしゃーい、頑張ってね、そう言うとさわやかな笑顔を返してくれた。

これからも近所のおばさんはそっと応援しているよ、コロナ禍で少し疲弊していたこころ、助けてもらったもの。

さわやかに生きる事ってホント素敵って、教わったもの。

 

 

 

 

 

 

Posted 7月 31st, 2022.

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7月のあとりえ

札幌にて両親と一年半ぶりに会うことができました。

コロナ禍で帰省もままならず、電話で安否確認の長い長い日々でした。

思いのほか元気にしていて、温泉に浸かり、美味しいお食事を頂き楽しい時間を過ごしました。

母に会うときは、母が私の為に編んでくれたセーターをできることなら着ていたいと、いつごろからか、思っている。

何十年の歳月を経ても、不思議なことに古さを感じない。

シンプルなかぎ針編みも、アーティフィシャルなデザインも

すこしヨレたジーンズと絶妙にマッチするから、とってもおしゃれ。

何より、母のきらきら喜ぶ瞳を見ている時が最高にうれしい。

 

 

Posted 7月 1st, 2022.

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6月のあとりえ

梅雨入り間近、今年の薔薇の一番花がそろそろ終わり。

庭のコンサバトリーのテーブルにあれこれスワッチを並べてぼんやりしている。

薔薇たちがフェンスも庭もポーチにも咲きそろってくれた5月は、

連日、多くのお客様に愛でて頂きました。

自らの手をかけ育て、作り込んだ作品を喜んでいただけることは

何より嬉しい事で、薔薇もニットも私の中では幸せのジャンルに属している。

沢山おちからを頂戴したから、さあ、今度は新しい作品製図に取り掛かろう。ニッターさんが首を長くして待っていらっしゃる。

 

 

 

Posted 6月 2nd, 2022.

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5月のあとりえ

 

雨の日の多い4月でした。中々お日様に降り注いでもらえず、今年の薔薇はゆっくり咲き始めそう。

あんなに手塩にかけたのだから、一斉に咲き競わないで、一株ずつ開花するのをゆっくり眺めたい。

この頃、ゆっくり、のんびりが心地いい。毎日あくせく走りぬけてきたのかもしれない。きっと。

 

透かし模様のラグラン袖セーターは、昨年仕上げたカーデイガンとのアンサンブル。

 

丸い透かし模様は端の増減が加わると、わけが分からなくなる難解な柄。にもかかわらず、

正確に、丁寧に仕上げて下さるニッターさんは長崎の方で、かれこれ20年以上のお付き合いにはなるだろう。

いつもいつも穏やかで前向きな方。

一番花が終わったら、少し留まりかけてもゆっくり、じっくり前に進もう。

Posted 5月 1st, 2022.

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4月のあとりえ

アトリエの机の引き出しを整理していたら、40年も前に祖父が送ってくれた手紙を見つけました。

幸便と題された封筒も2枚の便せんも、もう薄茶色に変わっていて、どうしてその手紙だけをしまっておいたのかさえ、思い出せないほど月日が経っていました。

そこには、祖父が丹精込めて育てていた花や木のこと、飼っていた柴犬が事故に遭ってから元気がない事など、祖父の日常が細やかに記されていました。同じ文章が繰り返されたり、脱線したりして。

父が長い間家を空ける仕事に就いていたから、祖父は、計り知れないほどの愛情を注いでくれた。

私に弟に。

手紙の最後に、花や木をいつくしむ心を大切にすること、そして、優しい笑顔を絶やさない事とあり、

やっとこの数日快方に向かってくれている主人にも、教えを注ぎたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted 4月 1st, 2022.

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3月のあとりえ

美しい春の中、

体調を崩した夫に付き添っています。

薔薇たちは一斉に芽を吹き、庭の梅は満開。

早く元気になあれ。早く元気になあれ。

Posted 3月 3rd, 2022.

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2月のあとりえ

立春とは名ばかりの寒さの中、時を見繕って薔薇仕事にいそしんでいる。

つる薔薇たちの誘引を終え、寒肥の穴を掘り、やっとこさ剪定までこぎ着けた。

剪定は、良い花を美しい樹形で咲かせるための、そして株の命を守ってゆくための最も重要な作業。

 

葉を落とした一つ一つの株に目線を合わせ、切る枝、残す枝を選別する。

芽吹き始めた若い枝も、これまで沢山の花をつけてくれた枝も、後ろ髪惹かれながら切り落とす。

やがて、私の描いた美しい樹形でこぼれるように花を咲かせるだろうと願いつつ。

 

剪定は、どんなかたちをもって生きてゆくか考えること。なんだか、人生にも必要な。

 

 

 

 

 

Posted 2月 1st, 2022.

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