1月のあとりえ
迎春
皆様のご健康とご多幸を、心からお祈りいたします。
この時期、まだ暗い朝の道を、走っている。もう数十年にもなるかしら、
雨の日、雪の日以外欠かさない。大した距離でもないし、さほど速くもないが、それでも、ふうふう言いながら駆けている。
がんばれ、がんばれと、決して言い聞かせない。お尻ををたたくと、
何故か弱音をはいて立ち止まってしまう。天邪鬼なのかもしれない。
代わりに、走ることはなんて、なんて、楽しいのかしらと呟く。
あの角を曲がった瞬間息をのむ、切り絵の世界。
冬の朝陽と夜空のグラデーションはオレンジ色から群青。取り残されそうな星ひとつ。ふたつ。
美しいものを捕まえに行くのだ、たったったっと。